Rosacyanin

のんびり気ままなBL小説中心の読書記録。

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「春琴抄」

谷崎潤一郎「春琴抄」 新潮文庫

春琴抄 (新潮文庫)春琴抄 (新潮文庫)

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新品で300円という素敵なお値段。
耽美派の文学に触れるのは初めてで、若干緊張しつつ読んだ。
句読点が極端に少ない文体に驚いたが、慣れてしまえば頭の中で勝手に句読点をつけて読める。

裕福な家に生まれ、9歳で盲目となった美しく才能ある春琴。
春琴の家に仕え、春琴につくす佐助。
二人の不思議な関係は、共依存である。

春琴は三味線と琴の師匠である。佐助は春琴に指示する弟子であり、常に二人は師匠と弟子の関係を貫いている。
目の見えない春琴の手を引き、食事から着替え、風呂、便所まで何から何まで世話をする佐助は春琴の召使いであり春琴は主人でもあった。
そして、その高い矜持のために決して春琴は認めようとしなかったが、二人は子どもができるような間柄でもあった。けれども、決して春琴は佐助を夫とも情夫ともしなかった。

我が儘で贅沢で、プライドの高い春琴。
けれど、それは春琴のせいばかりではなく、そんな生活ができる環境をつくっていた佐助が春琴をそうさせていたのである。
佐助はその状況に困っていたかというと、そうではない。
むしろその手のかかる我が儘贅沢したいほうだいの春琴を愛し、尽くすことに満足していたのである。
これが共依存である。
春琴はひとりでは我が儘贅沢な暮らしはできないから、佐助に依存する。
佐助はその春琴を支えることに充足感を得ていて、春琴に依存している。

唯我独尊な春琴より、佐助の方が異常だと感じた。
春琴が、自らの性格から美貌を失った時、それはつまり佐助の愛する春琴ではなくなった瞬間だった。
盲目であること、美しいこと、我が儘で矜持が高いこと、才能ある弾き手であることなどなど、彼の愛する春琴は完璧でなければならなかった。
だから、彼は以前から盲目は健常者より優れた存在であり、いつか春琴と同じ盲目の世界に身をおきたいと望んでいたために、ためらいなく自分の目を潰したのだ。

正直自分はこんな恋愛は絶対にしたくないし、できないと思う。
二人の子供たちは皆里子に出されたことから、二人はお互いだけを必要としていることがわかる。
すごく異常だけれど、ある意味とんでもなく純粋で綺麗。

たんたんと第三者が少ない手がかりから二人の生涯を話す形で、いっこうに佐助と春琴が何を思っていたのか書かれていないのに、それでも正常とはいいがたい異常な共依存を孕んだ愛は読んでよかったと思う。


……なんかうまくまとまらないなぁ。

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