Rosacyanin

のんびり気ままなBL小説中心の読書記録。

Entries

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「リベット」/木原音瀬

木原音瀬「リベット」 ill.藤田貴美 Holly Novels

リベット (Holly NOVELS)リベット (Holly NOVELS)
木原 音瀬 藤田 貴美

蒼竜社 2006-09-21

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
セブンネットショッピング→リベット

お気に入り度 ハート 薄ぴんくハート ちょっと薄ぴんくハート ぴんく


激痛な話のようだが…。
普通に読んでしまった。
面白かった。
重い題材ではあったが、読後感は朗らかだ。


以下、感想。



高校の先生同士、新任×指導教員である。
しかも、受けはHIV感染者(発症していないのでAIDS患者ではない)。
BLでこの問題を扱っている本に初めて出会った。
まぁ、確かに生死にかかわる感染症で、血液製剤ならまだしもSTD(性感染症)であればBLでは特に難しい題材だと思う。

主人公・初芝は強くて弱い人間である。
HIV感染のことを親や恋人にも話すことなく一人で戦い、しかし知られてしまえば離れられてしまう恐怖。
それはかつて親友だと思っていた男に一方的な恋情から強姦され、あまつさえHIVをうつされた。
性感染症に対する世間の目はひどく冷たい。
初芝は親友から受けた酷い傷と、他者の目と、死への恐怖に苦しんでいた。

そんな初芝に恋をする男が現れる。
それが初芝が指導教員をしている新任の乾であった。
乾はHIV感染者であることを見抜き、辛いことがあれば話しを聞く、協力できることがあれば協力すると申し出る。
しかし初芝には過去にAIDSのボランティアを挫折した乾が自己満足のために関わろうとしているようにしか思えなかった。
乾はそのあたりは完全に否定しているが、まったく見返りを考えずに人に尽くすことは可能だろうか。
しかし、乾が初芝のためになりたいと思う気持ちは純粋で、確かに初芝の支えになっていった。

初芝は彼にHIVをうつした親友・阿岸の死にゆく姿を見ている。
自分も阿岸のようになってしまうのか、自分の未来に絶望し、死に怯えて悪夢にうなされる。
免疫力が低下していき、どこかで自分は大丈夫だと根拠もなく信じていた希望は簡単に打ち砕かれてしまい、乾にみっともなく八つ当たりする。
初芝が生きたいと思う強い気持ちは胸に迫るものがあった。

私はそんなふうに死を恐れながらも強く生きる初芝が好きだなぁと思う。
乾に八つ当たりした後は謝ったり。病気を知って一度は受け入れようとした恋人にどうしても怖いと言って振られても決して責めることはしない。
阿岸を恨んではいるが、他人に理不尽なことはしないし要求しない。
まっすぐな生き様だと思う。

乾のほうはといえば、初芝にとって欠かせない存在だ。
乾が好意を寄せていること、ゲイであることを知って一線引いているところはあったが、辛いことを辛いと言って聴いてくれる存在がいるのはとても幸せなことである。
職場を変わって、少しのすれ違いがあって、けれど結ばれたのは乾に打算がなかったからか。
辛抱強く初芝の一番辛い時期を支えたのだ。真心と真摯な愛情がなかったらできなかったかもしれない。
カバー下に3年後の二人が書かれていて(透明カバーをつけているときに偶然発見。見逃すところだった)、微笑ましい様子によかったなぁ~と頬が緩んだ。


Comment[この記事へのコメント]

Comment_form

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

Menu

最新記事

プロフィール

和音

Author:和音
本と薔薇をこよなく愛す。

ボーイズラブが9割以上です。
ネタバレにお気をつけ下さい。
薔薇の栽培日誌→薔薇に恋して。

にほんブログ村 小説ブログ 小説読書感想へ
にほんブログ村 小説ブログ BL小説読書感想へ
にほんブログ村
↑一応参加中。
ポチしていただけると嬉しいです♪

お気に入り度

独断と偏見とその日の気分によって決定。

【BL系】
さよなら ×1:そこそこ
×2:普通 ×3:好き
×4:大好き ×5:お宝

【BL以外】
:さよなら ×1:そこそこ
×2:普通 ×3:好き
×4:大好き ×5:お宝

カテゴリ

検索フォーム

月別アーカイブ

タグリスト

整理中。

読書メーター

和音の最近読んだ本

カウンター

since 2009/08/03

QRコード

QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。