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「クシエルの矢1 八天使の王国」/ジャクリーン・ケアリー

ジャクリーン・ケアリー 訳:和爾桃子「クシエルの矢 ①八天使の王国」 ハヤカワ文庫FT

クシエルの矢〈1〉八天使の王国 (ハヤカワ文庫FT)クシエルの矢〈1〉八天使の王国 (ハヤカワ文庫FT)
ジャクリーン ケアリー Jacqueline Carey

早川書房 2009-06-25

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お気に入り度 ハート 薄ぴんくハート ちょっと薄ぴんく


とても緻密に構築された架空世界を舞台にした壮大なファンタジーである。
魔法やドラゴンはでてこないが、権謀術数うずまく頭脳戦が主となる。
しかしその手段が閨房というのがこの本が他とは違うところ。
何せ、愛欲は神聖なる奉仕であるとされる国でのこと。
娼婦は当然のように存在し、買うことは普通のことなのである。
なので、だいぶ色っぽい描写のある小説である。


主人公のフェードルは幼い頃に娼館…の中でも地位のある花館に引き取られる。
テールダンジュ王国では、下位の娼婦の上に神娼があり、彼らは例外を除き13の花館に所属しているのだ。
花館はそれぞれ特色があり、館に合った子どもを館同士でやり取りすることもある。
フェードルは中でも格式高い月下美人館に引き取られるが、あるとき彼女の性癖が判明し他の館へ行かせられそうになる。
しかし、その珍しさからある目的を持った貴族・デローネイに引き取られる。
フェードルは、懲罰の天使・クシエルの矢を受けた真正のマゾヒストだったのである。

デローネイにはすでにアンクィルという少年を引き取り、神娼にせんと仕込んでいた。
フェードルは彼と一緒に学ぶのだが、それは神娼としてだけではなく、間諜としての役割を担っていたのである。

デローネイが何を企んでいるのか、それは1巻で明らかにされてはいない。
フェードルは異人の友人・ヒアシンスの母親からそれを知れば絶望するだろうと予言されている。
この1巻だけを読んだ感じはまだまだ序章で、やっと物語が動き始めるところだが、それでも多くの登場人物が入り乱れ、地名や固有名詞が飛び交う。
2、3巻ではどれほどの事件が起きるのか、楽しみではあるのだが…。

設定や、デローネイをはじめとする貴族達がなにやらたくらみ、フェードルとアンクィルが閨で情報を得てくるストーリーはとても面白いと思う。
しかし、なかなか物語りに入り込めない原因が2つ。
しっかりと作られた世界観であるが故に独特の固有名詞・人名が多く、また登場人物が多いので混乱してしまうことが多かった。地図と人物紹介が載っているのでありがたいが、どうせなら人物相関図にしてくれればもっと分かりやすかったのに。
そしてフェードルに感情移入できない、心情を理解できない。
全編フェードルによる一人称で語られているのに、彼女のドMな性癖が邪魔して何をどう感じているのか、読み手とあまりに乖離しているように思う。
まぁ、慣れれば普通に読めるのだろうとは思うが…。


人物的には好きになれないのだが、設定は非常に面白かった。
一番可笑しく思ったのは、花館の一つ・カノコソウ館である。
フェードルが月下美人館からあやうく追いやられそうになった場所だが、つまるところSMクラブなのである。
彼女はデローネイの計らいで見学に行っているのだが、客同士が顔を合わせないように配慮しているところに笑ってしまった。
現実世界では当然SMは異常性愛で恥ずべきことだろうが、愛欲を極めることは神への奉仕であるなら、その方法がなんにせよ堂々としてればいいのではないだろうか。
その後フェードルが火かき棒で火傷させられたくだりを読んで、そこまでするんじゃあ確かに…と考え直したが。

花館で面白いことは男女がともに生活しているということ。
神娼は男女両方いて、同性愛もOKなのだが、女しかいない館・男しかいない館はないようなのだ。
しかも、模範演技があって、館の神娼男女一組が人前で交わってみせる。
花館の中で恋愛沙汰はあるのかな?
性愛小説っぽいくせに、“恋愛”をしているふうがちっとも感じられない。
フェードルたち神娼が客を取るのは仕事や奉仕のためであって、恋愛感情は皆無だ。
アルクィンはデローネイを愛していて、そのために嫌っている神娼にすらなったが、恋愛という雰囲気はない。
デローネイの過去には色恋があったようだけれど、どろどろの愛憎劇というほどでもない。
もしかしたらそれで人物に乾いた印象があるのかもしれない。

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