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のんびり気ままなBL小説中心の読書記録。

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「POLLINATION」/木原音瀬

木原音瀬「POLLINATION」 ill.金ひかる B-BOY NOVELS

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木原 音瀬 金 ひかる

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「WEED」「FLOWER」に続くシリーズ3作目。
表紙が非常に恥ずかしいのだが…よかった、ネットで買って。

前作「FLOWER」の感想を読み返して、第一印象は、酷い、悲しい、ざまぁみろと書いているがその通りだったなぁと今も思う。
今作はその主人公・谷脇の新しい恋の話である。
こっちは、酷い、酷い、でも意外にそれでいいのかもしれない……である。

木原さんの本はこのシリーズしかまだ読んでいないのだが、なんだか普通のBLでは書かれないようなことを書く人だということはたった3冊で理解できた。
今度は何を読もうかなぁ…

まずは表題作。
散々弄んで、失ってから恋に気付いた超鬼畜でろくでなしな谷脇。
松本を失ってからおよそ半年、彼は新たなターゲットを見つける。
どこか松本を思い出させ、けれど松本とは違う少年・佑哉。
15歳の佑哉は自閉症を患っていた。
理数系の成績はいいのでなんとなくサヴァンを思い起こさせたが、そこまでではないらしいし、普通の学校にも通える。

谷脇は性的なことなどまったくわからない佑哉に自慰を教える。
但し、それは正真正銘、ア●ルセックスである。
しかし佑哉にとってセックスとは子孫を残すために行うものであり、つまり同性同士では成立しない。
松本の面影を求めてセックスを楽しむために佑哉の性質を利用する谷脇と、毎日決められたスケジュールで行動しなければ平静でいられないのに谷脇との自慰をスケジュールに組み込んでしまう佑哉。
彼らにとってのセックスは一体なんなのだろう。おそらくテーマはそこで、だからタイトルが「受粉」なのだろう。
精読したわけではないから二人が何を思い、求めているのか量れないところが多いのだが、酷いのか悲しいのか分からなくなってしまった。

谷脇が自分の欲望のために佑哉に性を教えるのは最低最悪なことである。
結果佑哉にとって居心地のよい場所になったとはいえ、セックスの相手にするために自宅に住まわせた。
言葉巧みに佑哉を騙し、手に入れる。
未だに松本の影を追っているところはざまぁみろなのだが、あんな経験をしたにも関わらず純粋に恋愛をすることができない谷脇には呆れていいのか哀れんでいいのかよくわからない。
谷脇は佑哉を利用するばかりではなく、安心して過せるよう努力するあたりはなんだか可笑しい。
たとえば食物アレルギーがあって食べられるものが限られ、食事は定時に出される物だと思っている。
それが当たり前だから、佑哉は世話をしてくれる谷脇に有難うとは言わない。
谷脇の中で、佑哉への想いが愛に変わっても(でも素直な愛ではなくセックスがメインの歪んだもの)返ってくることはない。
あの鬼畜ろくでなしが振り回されるなんてどうかしているが、きっとそれが恋なのだろう。
佑哉は傍から見たらかわいそうなのだが、妙に二人はぴったりはまっている。
引き離されても戻ってきたのは、互いに互いを補う何かがあるからだろう。


後半「NEED」。佑哉視点。彼がどんな思考回路を持っているのかが分かる。
おそらくテーマの一つに善意とは何かがあるかと。
佑哉の大学生活が印象的である。

佑哉の自閉症の症状を理解し、何かと世話を焼いてくれる吉村。
自閉症がなんだかわからずともちょっと変わった奴と思いつつ他の人と変わらず接してくる加藤。
“自閉症だから”善意を向けることはそれで既に差別している。
けれどそういった人がいたほうが佑哉が生活しやすいことも事実であり、自然体で接することができる加藤のような人間は少数派である。

そして思いやりや愛、本人は自覚していないが感謝する気持ちも理解することができない佑哉は周囲の人間にとって一番残酷なのかもしれない。
無償の愛や善意なんて本当にあるだろうか。
誰だって愛されたいし、優しくして欲しい、誰かの役に立ったという満足感を得たい。
それは当然の気持ちで、差別云々抜きにしたって言葉や態度での見返りを望むことは、自己満足の側面があるとしても決して罪悪なことではないはずだ。

感情を理解できないのは仕方のないことである。
普通と違う単語や言い回しで表現してしまうのも仕方のないことである。
そんな佑哉に振り回される谷脇は、佑哉から何かを学ぶことがあり、佑哉もまた変化しつつある。
どう表現していいのかわからないが、やっぱりパズルのピースか何かのように、ぴったりはまる二人だと思う。


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