「未必の恋-KEEP OUT-」妃川螢

妃川螢「未必の恋-KEEP OUT-」　ill.水貴はすの　ルナノベルズ

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初めての作家さん、初めてのレーベル…
表紙に惹かれ、値段合わせを兼ねて購入したため、あまり中身に期待はしていなかった。
なかったのだが、想像以上に面白かった！

捜査一課の刑事・緒ヶ瀬と科捜研の特別捜査官・御室が事件を追う話。
科捜研の特別捜査官というのはオリジナル設定なのかな？　よくわからないけど…

推理ものではなく、二人は地道に捜査していく。
その過程が丁寧で（説明が多すぎる気もする）、仕事がたっぷり書かれていて嬉しい。
彼らの父親も刑事と鑑識で面識があり、お互いその能力を認めつつもなんか腹立つ相手だったらしい。
父親たちが残した捜査の記録や日記にヒントをもらい、未解決の事件にも目を向けていく。

親子二代が追った連続殺人事件の真相は、歪んだ愛情が起こした悲しい事件だった。
殺された方はひとたまりもないけれど、もう少し犯人の気持ちや事件の背景を書き込んでくれるとよかったと思う。
そうしたら殺人は許せないけれど悲しい愛に感情を揺さぶられたのに。

緒ヶ瀬と御室の仲はやることやっても緒ヶ瀬の答えが出ておらず、緒ヶ瀬の性格を考えるとゴールインには遠そう。
続きがあるなら是非読みたい。