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「李歐」&「わが手に拳銃を」

高村薫
「わが手に拳銃を」 講談社
「李歐」 講談社文庫




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1992年に出版された「わが手に拳銃を」を下敷きに99年に書き下ろされたのが「李歐」である。
話の筋はほとんど変わらないが、受ける印象は違うし、まったく別物といっても過言ではないだろう。

「わが手に~」はどちらかというと拳銃や一連の事件に焦点が当てられている。
一彰はこちらのほうがより拳銃に魅入られている気がする。勢いがあって、緊張感があるのはこちらのほう。

「李歐」は人物に焦点が当てられ、一彰は拳銃に最初は魅入られてはいるが、後のほうはただ李歐を気にするばかり。
おそらく物語の構成はこちらのほうがよくて、確かに何が起きているのか分かりやすかったけれど、「わが手に~」にあったような勢いは消えてしまっている。

私は「わが手に~」からどのように変わっているか比べたくて出版順に読んだ。
その所為かもしれないけれど、私は「わが手に~」の方が好きだ。
「李歐」も好きなのだけれど、「わが手に~」のより緊張感が漂う硬質な雰囲気が好きなのだ。


一彰は趙文礼への復讐のためにナイトゲートというクラブでアルバイトをする。
ことの始まりは一彰が6歳の頃、守山の工場で遊ぶ中で機械を好きになり、そして未完成の拳銃を拾うところである。
一彰の母については二冊の中で扱いが変わっており、「わが手に~」では趙に目の前で射殺され、「李歐」では趙と駆け落ちしている。
一彰が趙を追う理由としては「わが手に~」の方が物騒ではあるがしっくりくる。しかし、「李歐」では母の人物像がはっきり書かれている。

李歐との出会いも違う。「わが手に~」では初めて会った時、舞っている李歐が目から放つ矢に射られたらしいが、「李歐」では最初の出会いで一彰は気にしている様子はあっても「わが手に~」ほど鮮烈な印象はない。
代わりに李歐が守山の工場に匿われている時に違いがある。「李歐」では李歐と一彰が会話をしていて、李歐が陽気で破天荒で魔性の魅力を備えた人物であることが強調されていてかなり愉快だった。

「李歐」で一番残念だったことが笹倉の密輸拳銃を盗むくだり。
「わが手に~」では守山が一彰とともに盗み、一彰が隠した拳銃をほとんど話したことも無い李歐と拾いにいく。この無計画さと時間に追われているところがはらはらして好きだったのに、李歐の指示で一彰が下準備をして計画的に犯行に及ぶというのがスリルに欠けた。
また、「わが手に~」はそのくだりまでに一彰と守山の会話が多いため、守山がどんな人なのかよくわかるが、「李歐」では李歐との会話が増やされているために守山の存在が薄く感じられる。

ラストもかなり違っていて、「李歐」の穏やかで幸せそうな二人もいいけれど、「わが手に~」の見事な脱走と海上での祝砲が好きである。

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