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「ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女」/スティーグ・ラーソン

スティーグ・ラーソン 訳:ヘレンハルメ美穂・岩澤雅利
「ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女(上・下)」 ハヤカワ・ミステリ文庫


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お気に入り度 ハート 薄ぴんくハート ちょっと薄ぴんくハート ぴんくハート 濃いぴんく


最初から最後まで夢中になって読んだ。
映画館で予告編を見て興味を持ったんだけれど(とはいえ映画を観る気はない)、こんなに面白い本を今まで知らなかったなんて勿体無いことしてたって本気で思ったよ…。
舞台となるスウェーデンの知識があればもっと楽しめたのだろうが、とにかく人物像が豊かで舞台背景が著者の豊富な知識に裏づけされていてしっかりしたものであることがよく分かり、すっと本の中に引き込まれたのだ。
でも、もしかしたら人によっては上巻で挫折してしまうかも。
主題ともいうべきハリエット・ヴァンゲルが殺されたと思われる事件の話が出てくるのは100ページ以上過ぎてから。主人公ミカエルがハリエット事件の調査を始めるのは200ページあたりから。その後下巻に入るまでハリエット事件の関係者の人となりや彼らの状況説明に費やされる。
他はミカエル自身が有罪判決を受けた大物実業家ヴェンネルストレムへの名誉毀損の話、ミカエルがハリエット事件を調査するにいたった経緯と、調査の相棒となるリスベットの酷い境遇について書かれているのだ。
どれも物語と人物を理解するのに必要なくだりなのだが、読書メーターの感想をちらっとみたらつらかったといったことが書かれていたから、そういう人もいるよう。
確かに私も上巻を読み終わって、早く下巻を読みたいとはやる気持ちの一方で、これしか進まないの?という感想を持ったのも事実だったから。

以下、折りたたんでおく。


さて、ストーリーは全編に渡って女性への暴力がテーマのひとつになっている。
章の最初にスウェーデンにおける女性への暴力の実情が一文あって、私自身女としてちょっと許しがたい気分になった。
まず最初に出てくる女性への暴力は、リスベットへの暴力である。
リスベットはかなり他人とは価値観が違っていて、物の考え方や発送がまるで違う。
ミカエルはアスペルガー症候群を疑った文があったけれど、まぁ、それはおいておいても多くの人が変わった人だと思うのは間違いなく、そして自分とは違うものを避けたりおかしなものとして扱うのが世間である。
よって彼女は精神障害者のレッテルを貼られており、後見人をつけられているのだ。
その後見人、新しく彼女を担当する弁護士のビュルマンは最低野郎で、リスベットが弱者であることにつけこんで暴力を振るう。
しかしこれはリスベットのほうが上手で、数日動けなくなるような酷い暴行を受けたもののそれを逆手に取って脅した。
リスベットは多少のことでは傷つかない強い心を持った女性なのである。
あとがきによると著者はリスベットを男性的に、ミカエルを女性的に書いているらしく、これは知らずに読んでもそう思えることだけど、とにかく声を大にして言いたいのはリスベットはとっても可愛らしい女性でもあること。
ミカエルへの恋心に気付き、クリスマスプレゼントを用意して渡しに行こうとするまでの、初めてに恋に昂揚して春の妖精みたいにふわふわ可愛いリスベット。
でも一気に現実に引き戻されてしまう。ミカエルには長く身体の付き合いがある愛人のエリカがいて(同僚でもあり、彼女の夫はミカエルの存在を許容しているらしい)、優秀なジャーナリストではあるけれど、他人の心に鈍感なあまり格好いいとはいいがたい男なのである。

そしてこの本最大の暴力がハリエット事件に端を発したヴァンゲル家の秘密である。
女性への暴力だけでなく、報道の正義についても考えさせられる一面があった。
ミカエルはジャーナリストゆえの好奇心と、犠牲になった数多くの誰かもわからない女性達のために世間に明らかにしたかったけれど、それはハリエットへの暴力になる。
ただでさえ過去に傷ついた女性を世間の好奇の目にさらして傷つけ、ヴァンゲル家が失墜することはグループで働く社員たちが路頭に迷うことになる。
おぞましい事件の結末はすっきりしない。

すっきりしないといえば、ミカエルにハリエット事件の調査を依頼したヘンリック・ヴァンゲルもそう。
ハリエット事件に病的なまでにとらわれていたことを除けば人格者で人好きのするいいおじいさんといった印象だったのに、ミカエルに調査の対価として約束していたヴェンネルストレムの情報は価値のないものだったのだ。
ヴェンネルストレムの方はリスベットのおかげで彼の秘密を曝露し、破滅へと追い込むことができたわけで、すべてにオチがついたのだが、ヘンリックに関してはミカエルと一緒にだまされた気分になった。

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